つばめの歴史は7年目で潰える

昨年につばめの巣（未完成）が壁から落ちてから一年が経ち、記憶を宿すつばめがまた戻ってきた。しかし、当然のことながら巣はもうない。伝え聞いた（もしくは慣れ親しんだ）巣がないことに大変戸惑い、近くでしばらく鳴いていたかと思うと、ある日つばめはもう二度とやってこなくなった。
再び巣を再構築し始めないかと思ったのだが、最初の建築者とは違う者なのか、あるいは上手く巣ができない場所であることを経験的に理解できているのか、作り直そうという者は現れなかった。
また一年待たなければならない。新たなつばめの開拓者が現れることを。あるいは、つばめが巣を作りやすい軒下システム（しかも糞で汚れない）を開発しなければならないのかもしれない。
つばめのジョナサンは去っていった……。