他人は何も感じないのかもしれないが、私としてはカーテンというものに若干気後れがするたちだ。レールが金属で無機質だし、甲高い音を立てるし、脇に束ねてももっさりと膨らむからだ。その膨らみは、ジャムのビン底の隅に残ったジャムがどうしてもスプーンで取りきれない時のような微かな苛立ちを覚えさせる。
ブラインドになるとそれは益々だ。とてもすっきり感がない。ごちゃごちゃしすぎ。何かと尖っているし。すぐ埃集めるし。
というような言い訳を胸に、寝室のカーテンを2年以上も取り付けないままにしていた。もっとも、その窓の外には和風の太い面格子が入っているので、易々と中が丸見えというわけではないのがその理由でもある。少なくとも昼はまるで中が見えない。
おまけに今はまだ寝室として使っていない。ただの洗濯物たたみ場&トランポリンルームに過ぎない。

とはいえ、諸事情というものがあって、そろそろカーテン(のようなもの)を取り付けることにした。が、カーテンにはしない。ロールスクリーンだ。なんて陳腐でストレートな名前だろう。まあ、ロールスクリーンだっていささか機械的なのだが、すっきり感はある。レースカーテンが必要でない窓に対してなら、ロールスクリーンは十分にアリだ。
ただ、木枠に穴を開けるため、自力では結構躊躇っていた。ミスした時のことを思うと……。思い悩めし2年半のうち、1年半は木枠穴開けへの逡巡に費やした気がする。が、今更カーテン屋をわざわざ呼んで施工してもらうのも芸が無いし、何より高い。やはり自力だ。

ロールスクリーンの販売業者は、ネットで調べるとむちゃくちゃたくさんある。元々各地域で売るだけでそれなりに成り立っていたわけで、ネットで全国規模で見ると、そら数としては多いのかもしれないが……。
その中で無料サンプルをすぐにもらえそうなところを選んだ。実のところ、無料サンプルは頼んでもロクに手元に届かなかった販売店もあったのだ。それから無料サンプルへの迅速で真面目な対応するところに決めようと考えていた。

届いた無料サンプルをいろいろとチェックしていたが、最終的には遮光1級、遮熱のデザインタイプを選択。寝室だしシルエットが漏れるのもあれなんで遮光がちゃんとできるやつ、それから寝室のある2階は熱がこもりやすいので、遮熱も重視。
内寸158cmと内寸58cmの二つを頼むと結構かかった……。幅が広くなると、途端に高くなるのですよ。

取り付けはまあ、引っ掛け治具を固定するまでが山場。木枠がやや硬かったが、キリと電動ドリル兼電動ドライバーがあればそれなりに簡単に仕上がった。こういう失敗不可の場合に必ず失敗をする自分が、娘と一緒に作業して慎重になったせいなのか、意外と一発で成功した。
これでいつでも真っ暗な寝室になる……と言いたいところだが、ベランダへの掃き出し窓から光は結構入ってくるので、ダメ。でも、そこまで遮光にするのも面倒臭くて。
まあ、完成。デザインなんて、悩みはするけど、後から慣れてくるもんさ。

roll-screen1
幅広の方の窓
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幅の狭い方の窓