役所から住所掲示(どこどこ何丁目何番地と書かれたプレート)が送られてきた時、そもそも掲示するべきなのかを迷ったりした。近所を見渡しても住所掲示されている家は少ない。細かいことだが、表札の名前と詳細な住所で人物が特定できるのはできる。昨今の社会を鑑みれば、そういう懸念は排除したいところだ。
一方で、田畑を農地転用して新しく住所を振ってもらった場所であるので、宅配便はおろか郵便ですらその番地を知らない。荷物がちゃんと届くためには最初は何としても住所掲示をする必要があった。
また、個人的な経験からすれば、いろんな知らない土地へ訪ねに行った時に、住所掲示があまりなくて苦労をしたことがたくさんあった。だから、困る誰かのために住所掲示をしておきたい気もしていた。

そんなわけで、一時的な柵が設置されていた時は、住所掲示は柵に釘で荒々しく打ち付けてあったのだが、柵を撤去して花壇を並べた結果、住所掲示をする場所がなくなってしまった。
いろいろ空想してはみたのだが、小気味の良い、いかにもイカす住所掲示のやり方がどうにもこうにも浮かんでこなかった。そのため、枠に綺麗にはまった形なら何とはなしに見栄えするかもと思い、100均で浅めの小さい木箱を買ってきた。それにおもむろに花壇プランター用のブラウンの屋外用ステインを塗り、100均特有の安っぽさを消してみた(まあ、元々の木材が低品質なので、それを精一杯隠す程度だけれど)。

最終的には基礎のコンクリートの辺りに、強力な屋外用接着剤でもってその木箱を備え付けようと思っていたのだが、玄関前の鉢置きに置くと意外としっくりきてそのまま定着してしまった。
これでまた一つ、外構部分の懸念が去っていった……ような気がしている。

Address_display