障子というのは絶対にいつか破れるものだ。もしも日数と破れる箇所数とを克明に記録したならば、有史以来の統計を取ったら必ずや一定の障子破れ曲線に乗るものと思っている。宇宙不変の障子破れ係数があるかもしれない。
そんなわけで3年にしてついに障子が破れた(くどいくらいに「破れた」と書いてしまった)。しかし通常であればほたえた(ふざけた)子どもが突き破る、というのが主な理由なはずだが、今回は破れた理由がいささか不明だ。恐らく、近くに置いていたおもちゃ箱か絵本箱から飛び出した何かの物体の角が刺さったのだろうけれど、すっきりしない。コップの取っ手が唐突にポキッと折れた時のような、そんなすっきりしなさだ。

それはさておき、破れ障子を修理しなければいけないのだが、結局定番的に100円ショップの障子破れ直しシールに頼った。桜の花びら型で白い目立たないやつを利用したが、割と崩壊面積が大きく、2枚をつないでようよう何とかふさがっている程度だ。
まあ、当面の見映えはそれで何とかなったのだが、今一つではある。花びらというのが定番過ぎて、破れを目立たなくしているより「ここ、破りましたよ!」とむしろ目立つようにしているんじゃないか、と。それに工夫もオリジナリティもあったもんじゃない。ネットで見るともう少し種類はあるようだけれど、それでも物足りない(その上、ただのシールなのにやけに高い)。
例えば、小さな箇所だけと言わず、障子の一角全部を貼ってしまうようなのはどうだろうか。ただ一角全面に貼るだけだとそこだけぶ厚くて変なので、いっそのこと桃色だとか山吹色だとか和風の色にして。それならどんどん他の箇所が破けていっても様々な色で埋めていけば、ああモザイク柄のモダンな障子なんだな、ということにならないだろうか。
あるいは真っ黒な紙にして、朧月に叢雲、ススキが描かれた1枚の絵になっているとか。あるいは裂け目のラインも取り入れた水墨画になっているとか。

プラスチックの障子にしとけばいい、という話があるかもしれない。しかして、プラスチックは通気性もなければ、味わいもない。子どものキックで割れるのは同じでは、とも思う。
その前に、今この21世紀に障子張替えの何とも面倒さよ! いやもう少し進化していてもいいんじゃないかと。一角ずつパーツに分かれていて、それを挟み込んで1枚の障子にしてあるとか。それなら破れてもパーツ替えで済むし、上述のようないろんなアレンジも簡単にできる。サイズが規格化されているから、そういうのが逆にすごくやり易いと思うのだが。
コストの問題でなかなか実現できないのかもしれないが、そもそも障子自体がちょっと面倒な造作そうだし、もうひと手間だけじゃなかろうか。家の外観が如何にモダンになろうと、和室の需要は早々なくならないと思う。だから障子にももっとエボリューションを求む今日この頃。

syoji-yabure
ギリギリの花びら