駐車場がどんどんと変色してきた。理由は擁壁に設けられた排水口だ。雨が降るとすぐには排水されず、1日とか経ってからゆっくりと水が出てくる。したがって、水に勢いがない。駐車場のど真ん中に排水口があったので、当初は全体に広がりながら流れていた。その水の中に結構な砂土が含まれるものだから黄色くなって仕方がない。
そこで当初は排水パイプを横に設けて水を隅に逃がすことにした。が、排水口と排水パイプとの間の隙間をコーキングしたのが十分でなく、ジャボジャボ漏れて排水パイプとコンクリート床の間に水が溜まってしまった。それに排水パイプの中の傾斜が緩やか過ぎて、パイプの中に水が溜まるという現象も起きた。

次に考えたのが小石を並べてガイドを作り、隅に寄せるというパターンだ。勿論小石のほうが隙間が多いので、最初に使ったコーキングよりもさらに強力なコンクリートと木材・タイル等を貼り合わせる接着剤で小石の隙間を埋めることにした。見事に埋まった、ように見えたのだがやはり隙間があるのだろう、微妙に漏れ出しさらに緩やかに駐車場を濡れ広がるは羽目に。さらに小石で囲まれた空間に水が残りやすくなった。そうすると至るところで水が淀み、今度はぬめっとした苔が生えるようになってしまった。
その苔は車から降りると滑りそうになるので危ない。何とかデッキブラシなどで取り除いたものの、跡形が余計に汚くなってしまったのだった……。

ならば、と考えた。苔に虚仮にされるのなら、むしろ苔には苔を、と。苔をココに置こうと。そうしてちゃんと苔を購入することにした。苔のことはよくわからないので、インターネットで調べた結果、程々の日当たりで元気に生きれそうな『コスギゴケ』を選んだ。苔はいろんな店で売っているがあまりお金は掛けたくない。何せ思いっきり失敗するかもしれないから。検討の結果、京都にある『石田精華園』というところで買うことにした。HPには丁寧に解説が載っているし、第一安い。
買ったのは、コスギゴケ中パック、苔玉の土(混合ケト土)800g、天然鉱物質100%苔の土・テラリウムの土2Lだ。それにホームセンターでプチブロックを5つほど。これらは、今回は実験なのでがっちり固めて失敗した時に除去するのが困難なことを避けるための構成だ。また成功した時にも後々拡張しやすいようにという配慮もある。

まず、混合ケト土に水を足して練った。さすが苔玉にする土ですごい粘度だ。それからプチブロックを排水口の周りに並べて内側の隙間を混合ケト土で埋めた。少し苔の土を入れてから、苔本体を移植。それなりにそれなりの形にはなった。後は安定して生育してくれることを願うばかりだが、失敗も多いので……。
もしうまくいったら駐車場の排水口を全て埋めるべく拡張だ。先は長い。

drain
排水口受け苔セット
dirty-parking
既に駐車場は汚れている
moss
遠慮なく排水口から土は出る