もはや家づくりとはいささか趣きが異なるのかもしれないが、家完成の段階から気にはしていたのがトイレである。正直、トイレのグレードとしては、ハウスメーカーの用意する標準品にした。これが欲しい!というような思い入れはなかったからだ。というか、こだわると高い。デカいタンクが若干怖さを感じるので小さいのが良かったが、最近のはどれも小さくフォルムも悪くない。タンクレス(壁の中に入っている)が一番スペースを取れるが、そこまでは求めていなかった。
しかし、汚れにくいかと言われれば、昨今の自分で洗浄してくれるような高機能タイプに比べるとやはり厳しい。日数が経つとどうしても汚れが残りやすくなる。おまけに最近は便器が小さい気がする。そのためやや内側の側面も汚れやすいように思う。

そこで、かなり前から汚れにくいコーティングを行うを考えており、実のところ良さげなものを購入していた。2年ほども前に。ただ幾つかの面倒なことがあるのでずっとやらずにいた。そうすると汚れの付きやすさが流石に顕著になってきたので、ついに実施へと走った。

いささか高いのだが、良さげな物をインターネットで調べて購入した。もっとも近頃はクラウドファンディングかなんかでさらに高性能そうな海外の代物も出てきているようだ。便器汚れは万国共通の課題らしい。
これをやるためには、まずトコトン便器を掃除しなくてはならない。酸系の専用クリーナーも付属しているのだが、それもある程度綺麗になってからの作業だ。だからこういうのは本当はトイレの初使用前にやるのが一番良い。
そして、問題は一定時間トイレが使えなくなることだ。まあ、2階のトイレを使えばいいのだが、3時間余りも必要となると、ついつい家族が使ってしまう恐れがある。そのため、自分の時間が空いて、なおかつ家族が外出しているタイミングを待つのだが、これがなかなかやってこない。皆で外出する直前とかが最良だが、外に出る前にこほ頻繁に使用されるので、それも無理だ。

中身。掃除用とクリーニング用の手袋が入っている

そんなわけでついにたまたま自分だけが家におり、家族が帰ってくるのが遅いタイミングができたので、やっと行動に移したわけだ。たまり水を抜き、専用クリーナーで掃除。いつもやらないところくらいまで手を突っ込む。それから水を拭き取り、いよいよコーティング。とは言っても硬いスポンジのような物に吸い込ませて、ひたすら表面に塗り広げるだけ。透明なのでムラなく塗れてるか甚だ自信がなかったが、パッケージには『コツは素早く全体に塗り広げること』とあるので、信じて便器を撫でまくるしかない。
そうすると、お尻洗浄ノズルが出てくる更にその裏側、普段全く見えない場所がかなり汚れているままなのに気づいた。掃除し切れてなかった……。仕方無しにペーパーで汚れを取りながらすぐにスポンジでコーティングしにいった。上手くいったかはわからないが……。

たまり水を抜いた状態なので逆流する臭いがきついのだが、それを我慢して塗りまくり、そしてその後はひたすら換気扇を回すしかなかった。作業自体に難しさはなかったが、やはり掃除の方が大変だった。

そうして完了してからは、3週間ほど経過観察。一時的に汚れは付くものの、流しているうちに取れていくので、前とはかなり感じが違う。これならたまの掃除だけでいいように思える。結構効果を実感したので、いつか2階のトイレにも実施しようと思う。また2年くらいタイミングを測るかもしれないが。
ただまあ、全部OKというわけでもない。便座の裏やお尻洗浄ノズルとかは相変わらず汚れはする。恐らく、この辺は自動洗浄の高級トイレでもなかなか完全対応はまだできないんじゃないかと勝手に思う。そういう観点では、便座の蓋を閉めたら、中を密閉して高圧水だがイオン液体だかでとにかく100%ピュアなところまで洗ってくれるようなトイレがいつの日かできた時、トイレは完成されたものになるのかもしれない。もっとも、そんなことを言っていると、床や壁も掃除せなあかんわい!と普段尽力されてある家族から怒られてしまう気もするな。