家を作るとき、長期的な時間の考慮をするのは大事だと思っている。すなわち、今自分たちに最適な構造の家であっても、将来的にも快適であり続けるかどうか、子どもたちが大きくなっても住みやすいかどうか、同居で人数が増えても大丈夫か、車椅子で室内生活を送れるかどうか……。あまり考えすぎると最大公約数としては非常に中途半端なものになりかねないが、やはりある程度は広く意識しないといけない。それに、万人に使いやすくしておけば、仮に手放す際にも購入してもらいやすくなる。

そうやっていろんな人が住める要素を考えてはいたのだが、他の生き物が参加してくる可能性については正直何も想定していなかった。犬小屋の設置しやすさ、猫の室内での過ごしやすさ、ニワトリを買うスペースなど。当然生活スタイルが違うので、かなり要求仕様が変わってくる。その辺は家を作る際にちょっとは意識しておいた方がいいかもしれない。
我が家の場合、動物は今のところ増えていないのだが、魚が増えた。これもまた飼うなんて全く考えてなかったのだが、気が付いたら同居することになっていた。子供たちは世話しないし、向こうだって特に愛想を振りまかないので、情操教育に役に立つわけでもない。金魚、という存在が傍にいるのは嬉しいようだが。

で、室内ではテーブルを置きそこに水槽を置いて飼えばいいのだが、室内に幾つも置くわけにもいかない。静音に気を配ってもやはりポンプ音は聞こえるからだ。幾つも置いていると安全性も良くない。それで自然、外にも置くことになるが、そうなるとどこに置くかということになる。あまり野良猫にアタックされても困るし。透明な水槽置いたらすぐに緑色に濁るし。すぐに氷張るし。実際、そうなった。それなりの値段のする睡蓮鉢を買うのが一番いいが、出費が痛い。

そのため、我が家では手あぶり火鉢を用いている。中古で買えば安いし、見た目やバランスにも優れている。やや間口が狭くて肝心の観賞が妨げられるのだが、水位が下がりにくくて良いという利点もある。手あぶり火鉢は植木鉢カバーにしている人もいるようだが(底の水抜きがないのでどうしてるんだろう?)、かつての日用品の再活用としてはとても機能している気がする。この度透明水槽の代替として、2つ目の手あぶり火鉢も置かれることになった。これで室内に水槽1個、野外に広口の睡蓮鉢みたいなを加えて計3個。時折、町中で庭を埋め尽くすほどの植木鉢を並べている家をみたりするが、少し気持ちがわかったような気がする。キリを付けないと結構大変なことになる。