建築後に初めて住宅展示場に足を向けた。ちょっと天候と昨今の状況下で行くとこがなかったというのが本音だが、建てた後の物の味方で今一度各ハウスメーカーや工務店の豪華な住宅を見てみたかったからだ。また、今漠然と気になっている物足りなさの解決方法が見つかるかもしれないと思い。
物足りなさというのは、収納であったりいろんなとこの汚れや傷付きであったりだ。問題が生じているわけではないが、建てる前には気づかなかった工夫が実はあるのかもしれない、と。

さて、そんな感じで近くの住宅展示場に行ったのだが、お客が少ない。まあ、台風の影響もあろうけれど、それを加味しても不況があるのかもしれない。そのような状態なので、既に家を建てている、後学のためだと伝えても、担当社員が微妙に付いてくる。向こうも乗り気で攻めて来るわけではないので、実に微妙な空気。もっとも建築前でもなんか圧迫感を感じて上手く見学できなかった気もする。結局、住宅展示場というスタイルは、私には合わないのかもしれない。

そんなわけで、わずか2つを見学して疲れて帰ってしまった。収穫は少なかった。その中でも思ったのは、やはり収納の難しさ。いろんなとこに工夫された収納があり、一見は便利だなと思う。しかし、収納量から考えるとすぐに一杯になりそう。天井の低い、室内の蔵のような部屋も良さそうだが、ガラクタで埋まるのが目に浮かぶ。昔、収納はあればあるだけ使うから、と言われたのは今は実感できる。収納と言うより、日々の生活に対してスムースに使える機能的な置き場所として何が欲しいかを考えていた方が良いと思う。例えば、生ごみ処理機は将来的に買うとの前提の下、生ごみ処理機を空間的にも美観的にも邪魔にならず、なおかつ使いやすい置き場所を用意しておく、など。収納という概念では、解が見つからなかった。
加湿器や空気清浄機の置き場所なども同じかもしれない。住宅展示場ではそういう生活上でポッと置かれている代物への配慮が少ない気がする。実際にそういうものがあっても、大抵ハコが広いので参考にならない……。

もう一つは、踊り場というか中間場というか。多目的に使えるちょっとした空間はやっぱりいいな、と。昔は構造的に無駄だし、説明員の言う仕事にも遊びにも活かすなんて洗練された毎日なんか来ないと思っていた。しかし、しょうもないことをするのに、意外と役に立ちそうだ。工作なんかをするのにちょっとした広さは必要なのだが、普通の部屋でやると片付けないといけない。数日かける工作がやりにくい。テレワークするにも広い部屋を使うと光熱費が嵩む。普段の日常で無駄な空間というのは、そういう時にとても役に立つ。家づくりにあたって、無駄的なものは無理が来ない限り幾つか忍ばせておいた方が、いろいろな応用性が効くのだな、と。

それと、エクステリアの店も併設されてはいたが、限りあるサンプルを凝縮したようなもので、イメージ作りには役立ちそうになかった。しかし、家の顔付きは外構でとても変わるから(そして費用が高くなってしまう要因でもあるから)、外構こそ展示場のようなところで俯瞰して、いろんな可能性を考えたい。エクステリアの大きな店があったりするなら、モデルハウスと同じくらい行くべきだ、というのが今の所感である。