和室については、最近は最初から無いところも多い。完全に洋風スタイルの生活になっているのか、あるいはリビングでもごろ寝できるような状態にしてあるので、必要性が無いのかもしれない。また、部屋で分かれてしまうと、目が届かなかったりするので、リビングと一体で小さく和室ライクな空間を設ける場合もある。和室を無くして収納力を上げるという考えもあるだろう。

私たちは、和室をノーマルに作る方向で進めた。理由の一つは、客間としての利用だ。リビングというもろに生活臭のする空間にお迎えしにくいこともあるので。勿論、そのためには、廊下から和室に直接入れるようにしておく。
また一つには、1階の寝室として活用できるように。仮に住む人数が増えた場合、2階の部屋数では間に合わなかったり、階段の上り下りが厳しいこともあるだろう(乳児、幼児がいる時なども含めて)。なので、リビングと一体ではなく、開放も閉じることもできる扉は付けておく。
もう一つ、寛ぐ空間として。和室には濡れ縁が設えてある。外の風景を見て、風を感じ、ゆっくりするためだ。リビングに濡れ縁を設けるのは少し合いにくいものがある。
とどのつまりは、多用途スペースとして、和室を設定したわけだ。

和室の広さは6畳。4.5畳では寝室代用としては若干狭い感があったので。知人は7畳にしたと後で聞いた。そういう広さも良かったかもしれない。
で、掃き出し窓にして、内障子。濡れ縁をそこに付ける。丸窓は特別に付けた。これは雰囲気のための遊び。他にも茶室のような小さな出入口や、小さな窓のようなものも付けたかったが、費用がかさみ過ぎる。それ以外は小さな板間と押入。

悩ましいのが畳だった。半畳たたみを入れたい、というのがパートナーの要望。自分も半畳たたみの方が雰囲気がモダンでいいなとは思ったのだが……。

高い。

標準でもそれなりに高く、色を粋なものにするとさらに高くなる。ちゅうか、それなら後から敷き換えても同じ値段(差額がない)。まあ、なかなか後からはそんなお金を出せないもんだけど。
結局、天井を編み上げ型の柄にしたり、壁紙をほんの少しモダンなものにしたりと凝ったのもあったので、折角ということで、標準的な半畳たたみにした。頑張ってみた。

感じるに和室はもっと工夫の入れられる空間だと思う。こう、これからもたくさんのアイデアにより進化できそうと言うか。和室というカテゴリからは外れてくるかもしれないけれど。ネオ畳、ワイルドな板間、アヴァンギャルドな押入、ファニーな障子……。

気がかりなのが、エアコン。あの、プラッチッキーな家電製品はまるで和室に合わない。リビングのエアコンで過ごせるのなら無くてもいいが。安直に木箱で囲うのも非常に今一つだし。家電製品のデザイン性はどんどんと上がってきているが、和風力はとんと成長しない気がする。どうにかならんか?

tatami