玄関の段差は昔の家ほど高くはないが、気づかないとこける。なかなか構造上仕方ないところなのだが、家族のメンバーの関係でこの段差が見過ごせなくなったので、スロープを作った。
幸い広い玄関になっているので、スロープを作ることができる。しかしながら、玄関ドアと上り框(あがりがまち)が平行になっていない。90度曲がるようになっている。そのため、スロープが大き過ぎると玄関から入った時にスロープの斜面に足を引っ掛ける恐れがある。しかして、スロープが急だとこけやすい。結局、20センチの段差を60センチの長さで吸収する傾斜角18.4度のものになった。

材料はホームセンターで調達。厚み12mmの針葉樹構造用合板を購入後カットしてもらった。足となる板もカットの残りから確保。それから補強用に40mm角程度の角材を買い、これもスロープの幅よりやや狭めでカットしてもらった。
角材を板裏に固定するのには、柵を作った残りのコーススレッドを活用。ほとんど使ったのだが、まだ残りが使える。
次に足を斜面を支えられるように斜めに切断。これが個人的には難しい。ホームセンターでこのためだけに丸ノコを借りたものの、今一つ。足の長さや傾斜が微妙に違うので、そのまま使うとスロープがガタつく。そこで、一度スロープを設置し、ガタつかない箇所を発見してそこに足を取り付けることにした。裏を見たら左右で足の位置が違うのだが、とにかく実用性が大事だ。
さらに足は固定方法も工夫しないと、体重かけた時に折れたら大変なので、裏の補強の角材に横からコーススレッドで固定することにした(作っている途中で決めた)。位置決めしてから一旦木工用ボンドで固定した後、コーススレッドで固定。これでもガタつきは残るかと思ったが案外安定したのだ。

ステイン塗装して渋くしようと思ってもいたが、すぐに使いたいので断念。と言うか、面倒くさくなった。上り框や靴箱に当たって傷をつけないように、また隙間に足を挟んだり足を打ったりしないようにコーナークッションを両面テープで取り付け。この部材が高い。100円ショップに行けばコストを下げられるが、モノが小さくなる欠点もある。

そのまま使ったら、裸足ではOKだったが靴下は見事に滑った。なんとまあ、人間の安定感の頼りなさよ。想像はしてたけど。再びホームセンターで犬猫用滑り止めシートを購入。1m幅でやや幅が足りないがOKとする。他にもあるかもしれないが、サイズと値段的にこれが一番良かった。こちらも両面テープで止めて完成。

使った感想はまあまあ。少なくとも踏み外していきなりこけることは防げそうだ。スロープも安全じゃないという考えもあるかとは思うが、小さなステップを組み合わせても、やはり段差を踏み外したショックは強いので……。
建築前から構想できていたとしたら、上り框の所にスライドの内扉を作っておくほうが良いだろう。断熱にもなるし。玄関の天井が高くて扉化できない場合、アコーディオンカーテンみたいなのを設置できるようにしておくのも有りかもしれない。あるいは、夜だけシュッと玄関の段差がなくなるように自動的に床が伸びてくるような先進的な構造ができないだろうか。その中に靴が隠れるのなら、靴箱の代わりになって益々良いのだが。

いずれにせよ、段差の多い家というものはいろんな生活の楽しみ方ができてそれはそれで面白いのだが、段差が難儀になる生活に移行した際には簡単に段差が解消できるような機構が未来的だと思う。玄関はもっともっと進化せねばならないだろう。