つばめの巣と言えど、家づくりなので『築記』としているのだが……。
今年でつばめの巣6年目になった。毎年入りにくくて諦められる哀れなあばら家。ただ、今年は違った。
我が家のつばめの巣を作り続けてきたやつなのかどうか、個体の見分けがつかないからわからない。しかし、それにしても慣れており、4月の半ばを過ぎたばかりという時期から既に巣に居座った。しかもこれまでなかなか巣に入る角度を見い出せず、何度も引き返しては突入を行うを繰り返していたのに、今年は苦もなく巣に入っている。
ついに今年は新居(古いけど)の巣が活躍するのだ。と思っていた。

巣が、落ちた。

元々壁に垂直に無理矢理造られた巣である上に、光触媒コーティングされたインクジェット塗装の窯業系サイディングでは表面の密着性が悪く、本格的な子作りの重量に結局は耐えられなかったのだ。落ちた直後は見れていないが、つばめが戻ってきては失われた巣を見てパニクっていたらしい。卵はまだなかったようだが、二羽のつばめが暴れる強度はなかった。

そこには、もはや光触媒も効きそうにない、重厚な汚れがついた壁だけが残ってしまった。
これを機に安定していて、直下が糞で汚れてもよいような場所に巣を再構築してくれないものだろうか。

これからどうなるのか、じっと見守る5月となりそうだ。