風呂。ちょっと味気無い表現なので、バスルームといった方が良かろう。新しいバスルームは何を選んだって、きっとそれなりに満足できる。冷たいタイルの床も黒カビの生えたシーリング材もない、綺麗な美しいバスルームが待っている。1坪あれば、まずゆったりした浴槽(バスタブ)が待っている。

しかしとて、入浴をさらに快適にするためには、ちょっとバスルームにもこだわってしまう。但し、上を見ていけばドンドンと価格が跳ね上がる世界でもある。妥協と遊びと思い入れの中間点を目指す(いつもの通り)。

が、今更ながらに考えると、まず何よりも広さを考慮した方が良かった。間取りをある程度作っていくときには気にしてなかった。1坪であいよってな感じで。いざ、メーカーの選定に入ってから、1.25坪なんかもあるんだな、と分かった。広いと言っても、その程度なら広くなるのは大抵洗い場だけ。どっちでもいい話かもしれないが、洗い場がほんの少し広いだけですごく使いやすいかも。あるいは、浴槽が広くなるプランもある。ファミリータイプの円形に近い浴槽。家族のシチュエーションにもよるが、それも優雅に楽しめる気がする。ただ、浴槽が広いと水道代がいささかきついけど。ま、とにかく、自分は既に1坪前提で設計していたので、無理にバスルームの広さを変更しにはいかなかったけれど、これからって人は、広さをまず決めにかかったほうが良いと思う。

バスルームの設備の中で気にする点は、浴槽と床の材質、照明と浴室乾燥暖房機くらいだろうか。どこのメーカーも一長一短に思えるので、一番のこだわりとかバランスで決めたいところ。私たちの場合、床で決まった。TOTOの『ほっカラリ床』。柔らかくて、膝をついても痛くなく、冷たさが抑えられている。小さい子供がいると、硬い床は少し不便を感じてしまう。
ここでの妥協点は浴槽。ノーマルなFRP(繊維強化プラスチック)。グレード上げれば人工大理石にもできるが、予算が厳しい。それに、人工大理石の浴槽なら、やはりトクラスの品質が一つ抜けていると思うし。ちなみに、トクラスは浴槽ベースで考慮に入れてはいたが、床と標準の照明がお気に召さず……。それに、お風呂スピーカーも要らないんですよね、私としては。照明はお金次第で良いものにできるけど。照明だけを見れば、パナソニックのラインLEDはデザイン的に素晴らしいと思う。
TOTOのサザナ(sasana)はそのように床にこだわり、それ以外はそつなくまとまってると感じたので選定。そつのなさではLIXILの方が上だなとも思ったが、まあ床が決め手で。

色はアクセントパネルにサラアズキ、その他三面はスレンダーホワイト。控え目な強調で柔らかく落ち着いた感じを狙った。実のところ、最初の構想はアクセントパネルに木目調か濃い茶系を入れて、インパクトと落ち着きの両面を有するバスルームにしようと思っていたのだが、TOTOのカタログを見ているうちに、思わぬ色になった。サラアズキはベタ色でなくて、テキスタイルというか、布目調で爽やかな感じがある。今は木目よりも布目の繊細さの方がバスルームには合うなぁ、と思っている。

浴室乾燥暖房機は高そうだったが、ハウスメーカーの標準設備として付いていたので安心。梅雨のことを考えると、乾燥できる場所が欲しいんです、ホント。暖房は使うかどうかわからないけど、現在・未来の家族構成も考えながらヒートショック対策としてあるに越したことはなかろう、と。

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