溜まっている水が好きになれない。特に濁っていると。池ほど広いといいが、中途半端な大きさは怖い。滝壺にも恐ろしさを感じる。昔、海亀センターのようなところで、飼育されている海亀の水槽が並んでいて、それを上から眺めたことがあったが、巨大な何か(亀だが)が水中をウヨウヨ泳いでいる姿が怖かった。うーん、溜まった水とは関係ないかもしれないけれど。

雨水タンクは、文字通り雨水を貯めるタンク。治水対策として、自治体から補助金が出ていることも多い。大雨時に排水量が急激に増えて、キャパシティを越えないようにするためだ。高度な排水システムが整った大都会ならまだしも、そうでない場合、ゲリラ豪雨に耐え切れない可能性もある。近年でも大雨で下水のマンホールが浮いたという話をよく聞くので、雨水タンクによる分散型ダムを作るのは有効なのかもしれない(真の効果が不明なので、かもしれない)。その他にも災害時の生活用水として使ったり、庭の水やりに活用できることが利点として挙げられている。インターネットで調べてみると、トイレの水とかにして、極力水道水を使わない生活を試みている人もいる。まあ、確かにトイレの水が飲めるほどクリーンな必要性はないのだが、そこまで使いこなすにはなかなか苦労するようだ。

私が雨水タンクを考えたのは、災害時の非常用に加え、玄関アプローチの排水の悪さのためだ。玄関アプローチは御影石が敷いてあるが、その下の土の水はけが悪いようだ。元々、水はけが悪いのは知っていて、土にすると雨天時にドロドロになるというので石敷きになったのだが、目地のあたりが恐ろしく乾かない。ちょうどその当たりに樋が下りているので、もしかして排水溝に接続されていない?と懸念してはいるのだが、埋まっているので確認しようもない。家の前の側溝には配水管の穴が空いているので、まあ繋がっていると信じたいが……。それも踏まえて、樋からの水を雨水タンクでキャッチできれば、それが排水に影響しているかを確かめられるだろうと思っていた。
また、補助金も出るみたいだし、本来の治水にも貢献できるというのも動機にはなっている。 しかし、非常用となると何となく200リットルくらいは欲しいし、そうなると大きくて高くなる。前述したように玄関アプローチ近くの樋からの水をキャッチしようとすると、家のフロントに雨水タンクを置かないといけない。そうなると見映えがかなり難しくなる。とはいえ、置くのが裏過ぎてしまうと、庭の水やり用として使うのも不便なわけで、一般的な置き場所となると家の側面で庭の隅、ということになるのだろう。

で、雨水タンクの種類をいろいろ調べたみたのだが、まさに値段はピンからキリまである。安さだけを求めるのなら、樹脂製丸出しの物なのだが、なんていうか見映え的にはかなり今一つだ。耐久性も少し気になるし。
そんなこんなで、値段と見映え、サイズのバランスを勘案し、買うとしたら150リットルの樽型タンクかなあ、というところまで落ち着いた。しかし、水を使わないまま長期間経つとやはり水は痛んでくるし、定期的な掃除も必要だ。その割りに非常用としては心もとない。そして、そもそも溜まった水が好きになれない……というわけで何も行動せずに過ごしている。

rainwater-tank
雨水タンクは樋を切断して途中に挿入する
haisui
玄関アプローチの樋付近の水抜け悪さ