前回応急の柵を作ってから早3年。もう少し見栄えのある柵にするにはを悩んでいるうちに、柵の老朽化が進んできた。応急のつもり一杯だったので、柵の完成後に塗装をしていた。したがって地面に食い込んでいる杭の部分は当然無塗装のままで、ここから見事に脆くなって折れてしまった。
ここまで悩んできたのは、主に柱をどうするかについてだ。擁壁の上に立てるか、その裏に束石を埋め込んで立てるか。前者にはコンクリートの穴開けとアンカーボルトが必要だ。労力がいる上に失敗が怖い。また、後者は束石の厚さ分、結構奥の方に柱が来てしまう。さらに束石を埋めるのにかなり深く掘らねばならないし、垂直を出すのがかなり難しそうだ。
他には擁壁の上にコンクリートブロックを置く方法もあり得た。ブロックを上手く固定できれば高さも稼げるし垂直も出しやすい。が、擁壁に固定するのが難儀だ。鉄筋を入れるにはやはり擁壁に穴を穿つ必要があるし、それも深くしないといけない。擁壁側の鉄筋にもし当たったら手が打てなくなる。
木製フェンスを設置したときのように、金属製の杭型の金具で柱を受ける手もある。頑丈性には欠けるが後で周りにコンクリートを流し込んで補強できなくはない。しかし、これまた垂直が出しにくい。

それで結局選んだのが中庸のやり方。コンクリートブロックを束石代わりに擁壁裏に埋める。そして、ブロックの中に柱を立てる。擁壁の奥側にはなるが、ブロックの厚みは薄いので束石よりは奥まらない。擁壁裏にブロックを押し当てるので垂直は比較的出しやすい。そして安価だ。
ただ、難点は軽いことだ。柱の土台としては心許ない。そこで、コンクリート接着剤でブロックを擁壁に接着し、さらにブロックの周りにコンクリートを流し込んで補強することにした。まあ、柱の周りに木枠を作って、そこにコンクリートを流し込むのと似たような感じだ。木枠を作るのと、柱の位置固定、垂直固定をするのが面倒で、木枠兼固定器具としてブロックを使った次第だ。

そして柵自体の素材はハードウッドのセランガンバツー。無塗装でも耐久性が高い上に比較的柔らかくて加工しやすく、値段もそこそこだ。
横板と柱の両方をセランガンバツーとして、ネットで購入した。店頭で売っている代物ではない。輸送費が高いとか平日配達になるとか、木材特有の厄介さはあるのだが、何とか対応するしかなかった。木ネジはウッドデッキ用のブロンズに表面処理されたステンレス製。
硬さに恐れおののいて、ホームセンターで電動丸ノコやら電動ノコギリなどを借りてきたのだが、この素材のなせることなのか、思ったよりも簡単に切ることができた。電動ドリルでの下穴処理もそれなりにスムースに。唯一、電動ドライバでの横板のネジ固定では、やや押され気味だったが下穴を大きめにしておいたせいか、まあ何とか最後までやれた。

なお、下穴を事前に寸法通りに開けて、穴を合わせるようにして、先に柵の形を作ってから立てた。重くはなるが、柱同士の平行を合わせなくて良いので楽なのだ。できた柵をブロックの穴に差し込んで、仮固定してからモルタルを穴に流し込んで固定。この辺は雨との戦いだった。

これで、とりあえず玄関前の柵は完成。まあ、飾り立てはないがナチュラルでまあ良いかな、と。

10cm幅の板を4枚張り
柱根元のブロックは後で砂利で隠す