カントリーサイドの特徴は生き物が多いことだ。それが嬉しいか嬉しくないかは人によるのだが、まあ、生き物と共に暮らす生活のほうが自然に思える。
とはいえ、虫は千差万別。やはり少々心地よくないヤツもいる。しばらく虫と疎遠な生活を営んでいると、たまに虫にあせる。
その他にキュートなヤモリやエレガントなナメクジもちょくちょく顔を出すが、最近彼らは不人気気味。

5月に入ってからつばめがやってきた。一昔前ならどこでも見たのだが、近ごろは都会では見なくなったような気がする。彼らにとっては、今年から新しい軒下ができたべなってもんなのだろう、積極的に我が家に攻めてくる。
うちの壁はケイミューの『シュトラール』と『セフィロウッド』。上下で分かれていて、下半分が『セフィロウッド』だ。ちょうど軒下に当たるし、木目調だ。彼らにはぴったりなのだろう。

だがしかし。木目調だが木目ではない。インクジェット印刷の上、光セラ処理もあり表面が滑らかだ。木のように爪が引っ掛からない。そのため、巣作りをやろうにもくっつかないらしい。壁に土色が付いただけで終わっている。そのすぐ下にはシャッターがあり、そこにはちょこんと乗っていられるので、そこに巣を作れば良さそうなもんだが、何故かそうしない。垂直の壁面に作ろうとする。
思い返すと他の場所でもそういうのが多い。壁と天井の角に吊るように巣を作ったりする。あまり、台の上とかは少ない。防御的なものか、何か生きる知恵なのだろうか。

そんなわけで巣はまだできないでいる。フンだけを時折縁側へ落とす。ちょっと勘弁してもらいたい。
個人的には複雑な心境だ。巣ができると何かしら壁は傷むだろう。しかし一時的に追い払っても、まあまたトライされるのでそこは諦めてポジティブに自然の鳥と共にある生活でいいかな、と。もっとも、巣作りは順調じゃないけれど。

一方、つばめに巣を作られるのが困る人なんかは、地域や使い方に考慮して木目調を採用する必要があるかもしれない。かつて小さなサナギを作られたこともある(何故か12月に)。その点では『セフィロウッド』の質感は他の生き物にとってもなかなかリアルなものなのだろう。
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